2013年5月11日

【ArtFM 秋田県立近代美術館「コレクション展」(秋田県横手市)】

横手市の秋田県立近代美術館へ行った。

下駄かと思う奇抜な外観の当館、
野外彫刻は雪の中でも、建屋は地を踏みしめる。

見たのは収蔵品群で、
今回は平福穂庵や秋田蘭画など、
県の色が濃い品が並ぶ。

特に柴田是真賞賛、
念願の平福穂庵「乞食図」には、
理屈でない命への執着の壮絶さを感じた。

/スグル
 秋田県立近代美術館の建屋です。設計は山下設計。他に手がけた建物に、法政大学のボアソナードタワーがあります。ボアソナードタワーは、私にとって母校(大学院ですけど)の一施設です。

 当館の野外彫刻、雨宮敬子(あめのみや けいこ)「想秋」です。その立ち姿に物語が浮かぶというか、妄想が膨らみます。秋田県立近代美術館への訪問は今回で2度目なのですが、今回は2月、前回も冬で、2回共にかなりの積雪でした。

 影と彫刻が面白い状態だったので撮ってみました。美術館で毎度おなじみのフラナガンです。ロダンやマイヨールほどではないのですが、フラナガンの作品も全国各地の美術館でよく見かけます。当館では「鐘の上で飛び跳ねる野兎」が野外に設置されていました。とはいえ、1mを超える積雪で、全く近づけなかったんですけどね。

 構図違いです。ウサギが飛び跳ねています。

 マイヨール「囚われのアクション(腕のない)」です。前回は尻を意識しすぎたので、今回は別の感じに撮ってみました。


 展示室内です。今回の展覧会はコレクション展 第4期「穂庵のひらめき」で、平福穂庵(ひらふくすいあん)の作品を主に数多くの作品が展示されていました。前回訪問の際は彫刻作品中心だったので、大きく変わっています。収蔵が充実しているなぁと思いました。ちなみにこの展覧会は2013年4月初旬までなので、現在はまた違った作品が展示されています。

 今回訪問の一番の目的は、平福穂庵(ひらふくすいあん)の作品を見ることです。
 平福穂庵の作品に出会ったのは昨年2012年春、秋田県の角館の平福記念美術館へお邪魔した際の事です。その際、平福記念美術館の職員さんに過去の展覧会のお話しもうかがったのですが、かなりの逸品が展示されていたとの事でした。
 そのうちの1つがこちら、平福穂庵「乞食図」です。私の大好きな柴田是真が賞賛した作品で、命への執着に加え、理性や思考が働かない鬼気迫る状態が描かれています。しばらく釘付けになってしまいました。


 平福穂庵「乳虎」です。

 平福穂庵「乳虎」の一部拡大です。
 いかがですか??いいでしょ!いいでしょ!。質感、生命感、緊張感、緻密さ等など、穂庵の腕をあちこちに感じる作品です。そんな中、私としては、このイカツイお母ちゃんと遊ぶ子どもたちのコントラストがたまりませんでした。穂庵のちょっとしたユーモアじゃないのかなぁと思っています。

 紺野五郎「いくつかの出会い」です。自身の思い出を重ねてしまいました。

 小田野直武「岩に牡丹」です。
 秋田といえば、私の第一は藤田嗣治「秋田の行事」で、第二は秋田蘭画(あきたらんが)です。では秋田蘭画といえば、私の第一は「小田野直武」で、第二に藩主「佐竹義敦(よしあつ)(号:曙山(しょざん))」、第三に平賀源内(秋田蘭画のルーツ)を思い浮かべます。この画は、その秋田蘭画の第一人者、小田野直武の作品です。日本画に、西洋の技法である遠近法や、写実的な表現が取り入れられています。秋田蘭画の収蔵先としては、まず秋田駅近くの秋田市立千秋美術館を思い浮かべますが、当館にも逸品が揃っていました。

 こちらは小泉淳作「春を待つ鳥海山」です。
 鳥海山は秋田県と山形県の県境にそびえる山で、百名山の1つとされています。以前、毎週にようにお邪魔していた山形県鶴岡市や酒田市からよく見える山で、登りたい気持ちをいつも持っていました。いつかは登頂したいと思っています。ちなみに、これはちゃんと秋田側から眺めた鳥海山ですね。2つの頂きのうち、左右のどちらが高いかで判断することができます。

 秋田市出身、寺崎廣業(てらさきこうぎょう)の「瀟湘八景(しょうしょうはっけい)」です。

 秋田県由利本荘市出身、佐々木青洋(ささきせいよう)の作品です。
 なんと読めますでしょうか?私は、「きしめん らあめん だあ~」と読みました。正しくは、「うしろ の しょうめん だあれ」だそうです。
 ・・・。違いすぎます。

 柳原義達「犬の唄」です。こんな作品も所蔵しています。こちらは前回撮影した写真で、今回は展示されていませんでした。

 細川宗英「道元」です。こちらも、前回拝見しました。なかなかにして印象深い作品を所蔵していらっしゃいますよね。またお邪魔させていただこうと思っています。

 食事です。横手ということで、今回も横手やきそばをいただきました。今回訪問したのは元祖ホルモン焼きそば「まいど」です。

 電車です。奥羽線に乗りました。

 帰りは北上線です。

 北上線の車窓から撮りました。動きながらの写真で恐縮です。

 そしてE2系の新幹線に乗りました。

【秋田県立近代美術館】
〒013-0064
・秋田県横手市赤坂字富ヶ沢62-46 【map】
※「秋田ふるさと村」内
・TEL:0182-33-8855
【開館時間】
・9:30~17:00(入館は16:30まで)
【休館日(予定)】
・平成25年 12月29日~12月31日(年末休館)
・平成26年 1月14日~1月23日(メンテナンス休館)
※上記期間以外は全て休まずに開館
【入館料】
・特別展毎に異なる
・通常の展覧会観覧料は無料
・JR横手駅東口からバス「ふるさと村行き」乗車、「ふるさと村」下車
※当館訪問は2度目。いろいろな方法で行き来しました。今回は車でしたが、前回の往路は横手駅から徒歩、復路はバスでした。その経験上、オススメはバスか車です。バスの場合、約15分かかります。徒歩の場合、約40分ほどでした。

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