2013年5月2日

【ArtFM 森アーツセンターギャラリー「ミュシャ展」(東京六本木 六本木ヒルズ森タワー52階)】

東京、六本木ヒルズの
森アーツセンターギャラリーへ行った。

眺望最高、52階に位置する当館、
毎度の企画展もタイトルだけで期待が高まる。

今回はミュシャ展で、
アール・ヌーヴォーからスラブ時代に至る
プリント・習作・本画がズラリ。

動きがありながらも均整を感じるその画から、
中心からズレのないミュシャの心と、
これは仏画だ・・と感じた。

/スグル
 森アーツセンターギャラリーの入る、六本木ヒルズ森タワーです。パブリックアートとして、巨大なクモの彫刻、ルイーズ・ブルジョア「ママン」が設置されています。

 森美術館、森アーツセンターギャラリーがあることでよくお邪魔する六本木ヒルズ。今回は全く撮影をしなかったので、以前に撮影した写真を載せました。こちらも六本木ヒルズ 森タワーです。

 入り口です。訪問したのはお昼すぎ。入場待ち15分の満員御礼で、こんな感じではありませんでした。ですが、どの展覧会も夜間は比較的余裕です。当展覧会は火曜日以外は夜間開館しており(20:00まで)、17:00以降ならば比較的余裕を持って見ることができると思います。日が落ちる間にゆったりアート鑑賞をして、それから六本木でお食事するというのはいかがでしょうか。
 ちなみに、レポート中に「眺望最高」と書きましたが、その眺望最高な52F展望台「TOKYO CITY VIEW」へは追加料金(1000円)が必要です。さらに大パノラマな屋上「スカイデッキ(20:00まで)」へは要500円。値段が高いか低いかは人によりますが、女性同伴なら迷わず行きましょう。特にスカイデッキは。

 アルフォンス・ミュシャの代表作の1つ、「JOB」です。展覧会は撮影禁止だったので、北海道立帯広美術館での写真を載せました。いつもはこの作品に特に足が止まるのですが、今回はミュシャの回顧展であり、他にも作品が充実していたので、程々に眺めました。ですが、いいもんはいいですね。
 ミュシャの作品を見る機会はちょくちょくあります。プリントアートを中心に所蔵している北海道立帯広美術館をはじめ、名古屋の大一美術館などなどです。企画展では東京の府中市美術館などもありました。特に、金沢21世紀美術館と しいのき迎賓館(石川県金沢市)の2会場同時開催の「アルフォンス・ミュシャ展」では、えげつないほど充実した作品群が展示されていました。
 私の未訪問館ではありますが、国内で最も充実したコレクションがあるのは、アルフォンス・ミュシャ館(大阪府堺市)です。第二次世界大戦後、ミュシャの作品が社会主義下の祖国チェコで否定され、作品が世界中に散る中、ミュシャの息子さんの父再評価の訴えにのったのが土居君雄氏でして(カメラのドイの創業者)、そのコレクションが堺市に寄贈されています。
 堺市は関西在住時は週の半分は寝泊まりした場所ですし、アルフォンス・ミュシャ館のすぐ側を朝いつも歩いていたのですが、今まで一度も訪問していません。今となって思えば、なぜ??ではありますが、感受性の高まった今見たほうが満足感が高いだろうなぁとも思います。また訪問してみます。

 アルフォンス・ミュシャ「夢想」です(※当画像はネットより拝借)。
 レポート中に「仏画」と書きましたが、それは例えばこの作品のように光背のような文様があるからではありません。多くの構図が西洋というより東洋(日本)っぽく、あまりに均整がとれており、神々しく映るからです。ミュシャの心は、ミュシャの身体の中心にブレることなく位置するのだと思いました。僧侶レベルかもしれません。
女性の魅力も、驚くほどあふれているのですが、顔やスタイルは決して絶世の美女ではありません。表情やポーズ、存在感で魅力を放っています。これは、その存在としての魅力を無限に放つ仏像に同じだと感じました。

 アルフォンス・ミュシャ「四芸術」です(※当画像はネットより拝借)。
 数多くの魅力あふれる作品の1つです。こちらも仏画っぽさが強いと感じました。後ろの光背はもちろん作用していますが、魅力的な画面の動きと魅力的なのにエロくない女性のポーズが、四天王や十二神将に見えるんですよ。ガンダーラ美術のトリバンガ(仏像の腰をくねらせたポーズ)にも思えました。

 アルフォンス・ミュシャ「母と子」です(※当画像はネットより拝借)。
 ミュシャと言えば装飾美を持つアール・ヌーヴォーのイメージが一般的に強いのですが、今回の展覧会ではレポートの通り、祖国チェコへの想いにあふれたスラブ時代の作品も多く展示されています。この作品はそのうちの1つです。金沢21世紀美術館・しいのき迎賓館での展覧会以来、私はどちらかと言えばスラブ時代の作品により心奪われます。この作品には薄いのですが、より劇場的で幻想的です。神話のような雰囲気が強くなっています。その愛国心、たまりません。
 ところで、今回の展覧会では、習作(本画に向けての練習のための作品)も多く展示されています。私は基本的に習作には興味が薄く、いつもはさっと見る程度なのですが、今回はじっくり眺めてしまいました。特に「女優モード・アダムスの肖像」などは感涙レベルです。デッサンが秀逸な方って感激ですね。そういえば、レーピンもよかったなぁ。

〒106-0032 
・東京都港区六本木6-10-1 【map】
・TEL:03-6406-6855
【営業時間】
・展覧会によって異なる
※ミュシャ展(2013年5月19日まで)の場合
 ・10:00~20:00(入館は閉館30分前まで)
 ・10:00~17:00(火曜日)
【休館日】
・展覧会によって異なる
※ミュシャ展の場合、4月25日(火)のみ
【入館料】
・1500円(ミュシャ展 一般)
・1200円(ミュシャ展 大学生)
・東京メトロ 日比谷線「六本木駅」1C出口 徒歩0分(コンコースにて直結)
・都営地下鉄 大江戸線「六本木駅」3出口 徒歩4分
・都営地下鉄 大江戸線「麻布十番駅」7出口 徒歩5分
・東京メトロ 南北線「麻布十番駅」4出口 徒歩8分

・2013年3月9日~2013年5月19日(東京)
・2013年6月1日~2013年8月11日(新潟県立万代島美術館)
・2013年10月26日~2014年1月5日(愛媛県美術館)
・2014年1月18日~2014年3月23日(宮城県美術館
・2014年4月5日~2014年6月15日(北海道立近代美術館

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