2014年1月14日

【ArtFM ボーダレス・アートミュージアム「NO-MA」(滋賀県近江八幡市)】

滋賀県近江八幡市の
ボーダレス・アートミュージアム「NO-MA」へ行った。

近江商人の足跡、八幡山城下に位置する当館、
古びた町家に三方よしを探す。

展示はアール・ブリュットと現代アートで、
垣根なく扱われている。

個人的には狭義に特化を希望しつつも、
障害の有無ではない別のボーダーを感じる事ができた。

/スグル
 今回の1枚目は、近江八幡の八幡堀周辺で見つけた光景です。ヘルメットの自転車少年たちが横に並んで走っています。中学時代の前半を坊主+ヘルメット+自転車で過ごした私にとって、懐かしさを感じる光景です。フラフラとした自由奔放さや、平和な感じも心に響きます。

 こちらも八幡堀周辺です。観光向けの通りにはない生活感があります。奥に見えるのは(おそらく)八幡山です。今回は、近江八幡の観光スポットである八幡山や伝統的建造物群保存地区などを撮影できなかったものの、名高い近江商人が過ごした空間を感じることはできました。
 ちなみに、近江商人とは「主に鎌倉時代から昭和時代(特に戦前期)にかけて活動した近江国・滋賀県出身の商人(Wikipediaより)」です。特に 「売り手よし、買い手よし、世間よし」 とする「三方よし」で知られています。「売り手の都合だけで商いをするのではなく、買い手が心の底から満足し、さらに商いを通じて地域社会の発展や福利の増進に貢献しなければならない(Wikipediaより)」という理念です。これは歴史上の理念にとどまらず、現在のビジネスシーンにおいても用いられています。中小企業診断士としては、知らないとは絶対に言えない言葉です。ドラッカー等よりも古く馴染みのあるものですので本も多くあります。ご興味があれば本屋でご覧下さい。
 
 ボーダレス・アートミュージアム「NO-MA(ノマ)」です。どこが?と思われるでしょう。答えは画面右2/3です。看板がなければ発見不可能な外観をしています。

 この建屋は元 町家です。改装して美術館になりました。とはいえ、原型を留める改装なので、町家の趣も楽しむことができます。特に2階がいい感じです。

 美術館入口の庭です。敷地は決して広くなく、更に建屋を抑えても庭を確保していることに面白さを感じます。島の位置も面白い点です。

 美術館の入口。まんま町家の玄関です。

 2階より入口方面です。この逆側の裏庭には蔵があり、展示室として活用されていました。

 沢井実「誕生」です(※当画像はネットより拝借)。
 当館の展示はレポートの通りアール・ブリュット(アウトサイダー・アート)と現代アートです。うち、アール・ブリュットは、「加工されていない生(き)のままの芸術」という意味のフランス語で、定義的には「正式な美術教育を受けていない方の芸術」となっています。日本においては、アール・ブリュットの多くが障害者福祉の現場で生み出されており、実質的には(正しい・正しくないは別として)、ハンディを持つ方の芸術を指しています。その芸術と現代アートが「ボーダレス」に展示されているのが当館です。
 個人的にアール・ブリュットが好みであり、また、普段から様々な美術館を訪問しているため、当館は専門の館であってほしいと正直思います。が、今回あらためてボーダレスな展示に触れたことにより、新たな学びもありました。それは、芸術世界におけるボーダーは、障害の有無ではなく、別のところにあるという事です。例をあげると、「枠に収まるか枠に収まらないか」というボーダーを感じました。詳しい説明はまた今度としますが、また深みにはまりそうです。
 なおアール・ブリュットの専門館としては、静岡県の「ねむの木こども美術館」などがあります。私が全国厳選10館を挙げるとすると入れるであろう館です。

 アール・ブリュットの例を別に挙げておきます。吉川秀昭(よしかわひであき)さんの「目・目・鼻・口」です。こちらは当館の展示物などではなく、私の所有です。アール・ブリュットを専門とする「もうひとつの美術館」で出会いました。今にも成長しそうなこの存在感がたまりません。

 さて近江の名物(?)です。こちらは、ちゃんぽん亭総本家の近江ちゃんぽん(680円)。”滋賀県のご当地B級グルメ”だそうで、頂いてみました。美味しかったです。

 佐川美術館のレポートでもアップした写真ですが、琵琶湖東岸の景色です。畑が広がっています。

 私の訪問は2013年5月。こんな季節でした。大変に心地よかったです。

【ボーダレス・アートミュージアム「NO-MA」】
〒523-0849
・滋賀県近江八幡市永原町上16 【map】
・TEL&FAX:0748-36-5018
【開館時間】
・11:00~17:00(変更あり)
【休館日】
・月曜日(月曜が休日の場合は、その翌日)
スケジュール
【観覧料】
・都度定める
【アクセス】
・JR近江八幡駅北口から6番乗り場・近江鉄道バス(長命寺行き)乗車。 「大杉町」バス停下車、徒歩約10分
・近江八幡駅北口から自転車で約15分
※JR近江八幡駅北口前の「駅リンくん近江八幡店」でレンタサイクルできます。(1日500円)

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